2017年09月05日

余白ネットワーク終了および余白工事の会の解散のお知らせ


みなさん、こんにちは。余白工事人の内田聖良です。


ご報告です。2017年3月を持ちまして、余白ネットワークの終了と、余白工事の会の解散を決めました。2016年の「余白ネットワーク〜こまい話〜」頃から、内田聖良より、活動を続けていくにあたり、ほぼ据え置きだったコンセプトの見直し等の話し合いをしたいと提案をし、メンバーとやりとりをしてきました。そのやりとりをする中で、「作家という肩書を問わず、頼まれていない、自分が必要だと思ったことをする人の集まり」であった余白ネットワークが、同時に「頼まれた」「必要だと思ってくれる人を手伝う」ための拠り所となっていたということが、徐々にわかってきました。


余白ネットワークの大事にしていたことのひとつに、他者がいかにして一緒にいられるか、ということがありました。一つの場所にそれぞれの作業を持ち込む「作業日」などはそれを解決しようとしたイベントです。これは、特に、「余白ネットワーク」の前身、「秋葉原ネットワーク」として活動していた時に意識されていたことで、それぞれが引越しなどで秋葉原を離れ、「余白ネットワーク」になったあたりから、「頼まれていない、やってみたい、必要だと思ったことをそれぞれの人がやる」というほうに重心が移ったように思います。


自分がやってみたいことをやってみる、ということは、自分がフロンティアに立って試行錯誤することでもあり、傷つくこともあります。ただそうしたことを超えて、「やらなければ自分がいきいきと生活することが出来ない」という切実さを含むものでもあると、わたしは考えています。秋葉原で私が感じた「秋葉原の住人」たちの異常なパワーは、彼ら、彼女らの欲望が生きる切実さと表裏一体であったからこそ、魅力を感じ、一緒にプロジェクトをしてみたい、と思ったのではないかと、今では思います。


活動をする中で、「自分の中の余白がないから活動ができない」という言葉も何度か聞きました。聞くたびにちょっとした違和感があったものの、すぐに消えてしまうので意識してこなかったのですが、この違和感は、重要なものだったのではないかと思います。この言い方では、「余白」が、ほぼ「時間」とか、「余裕」と同じような意味合いで使われているからです。さきほど言ったように、「余白ネットワーク」での「余白」は、「切実さ」が組み込まれた「活動」であって、「つくるもの」です。


「余白」には、「なにもない」と思われがちですが、例えば、本に余白が無ければ、本を持つ指に、文字がかぶって読みにくくなってしまいます。つまり「ただの白い部分」ではなく、「指を置く場所」としてデザインされているわけです。さらに、「余白」は、読者に様々な行為を促します。読者は、文字を書き、折り、たまにシミをつけたりすることで、大量生産品であった本に読者の身体のクセや、リズム、性格を記録します。本の「余白」は、本を読むことを支えたり、性格を与えたり、様々な役割をこなしています。本だけでなく、ある状況や、ものには、与えられたり見出されていないたくさんの「余白」ー可能性があると考えることが出来ます。
「余白ネットワーク」での「余白」は、さまざまに与えられた状況やモノやサービスに対して、それでは満足できないちょっとしたもやもや、違和感を誤魔化さず、もしくはやむにやまれず、それら与えられたものの「余白=可能性」を見出し、あるいはそれを見出す身体を鍛え、その可能性を現実に作り出す、切実さを持った活動です。「暇だからやってみた」っていうものとは異なります。


メンバーの生活の変化によって話し合いの機会をつくることが困難ななか、やり取りをしてきましたが、メンバー間の温度差もかなりあり、今のメンバーでの「余白ネットワーク」の「更新」は不可能という考えに至りました。「異なる人が一緒にいる」と、「人に頼まれていない自分の活動(余白工事)をする人の集まり」とのバランスをうまく保つことができなかったのかもしれません。


納得のいっていない、むしろピンときていないメンバーもいますし、一方的だと思われる部分はあるでしょう。しかし、「一人の作家が率いているアートプロジェクト」になってしまうのであれば、そもそも「余白ネットワーク」をやる意味はありません。さらに、「フロンティアに立つ誰かを支える」言い訳になり、「余白=暇」と考えられている限り、この場を一旦終わらせ、その後、それぞれがそれぞれの手で、必要なものを自分たちで作ることにつなげたい。そのほうが「余白ネットワーク」がやりたかったことに繋がると希望を託し、解散するという決断に至りました。
それぞれのプロジェクトは、個々が引き取ります。(《余白書店》→内田聖良、小林橘花 その他個人プロジェクトは個人へ)


今まで、ありがとうございました。
これからも別の形でよろしくお願いします。


余白工事人
内田聖良

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2015年09月27日

余白読書室 メンバー募集

余白読書室のメンバーを募集します
西武新宿線 東伏見駅にある公文式の2F空きスペースを利用して「余白読書室」をオープンしようと考えています。つきましては、スペースを一緒に作っていってくれる人、そこでなにかにトライしてみたい人、余白に興味がある人などを募集します。
現在は余白書店(http://yohaku-shoten.tumblr.com/)の本が集まっている場所にしていますが、それ以外のかたちは未定です。
ミシンを入れてみようか、とか、もっとだらだらできたらな、とか、家具作りをしてみようとか、いくつか案はでており、ほかにもいろいろ試していきたいです。
ご興味がありましたら、メールやメッセージにてご連絡ください。

連絡先等についてはnettamをごらんください(https://www.nettam.jp/career/detail.php?no=12407)

(小林橘花)
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2015年08月19日

8月26日「国立本店」にて余白書店のワークショップと、余白ネットワークについてのトークあります

8月26日、東京の「国立本店」というところで、余白書店のワークショップと、余白ネットワークについてのトークがあります。http://kunitachihonten.info/?p=1187
posted by 余白ネットワーク at 12:37| Comment(0) | イベントの予告 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする